
総長メッセージ
坪内逍遙が結実させた
「早稲田と演劇」の灯を未来へ
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、2028年に100周年を迎えます。
演劇博物館(通称「演博(エンパク)」)を構想し創設へと導いた坪内逍遙は、早稲田大学の前身である東京専門学校創立時より、大隈重信、小野梓を助けて、早稲田大学の基礎を築きました。1927年に開設まもない大隈講堂で逍遙の最終講義が行われていますが、朗読を交えたシェイクスピア講義は、早稲田の名物でした。また校歌「都の西北」の作詞においても、「わせだわせだ わせだわせだ わせだわせだわせだ」の繰り返しは、劇作家でもあった逍遙の助言によって組み入れられました。
本学は2032年に創立150周年を迎えますが、それより4年ほど早く演劇博物館は100周年を迎えます。坪内逍遙が演劇博物館に結実させた「早稲田と演劇」の灯は、今日にいたるまで脈々と受け継がれてきました。それを未来にまで繋げてゆくことが、本学が念願とするところです。
大学の博物館が100周年を迎えるのも、我が国ではおそらく初めてのことでしょう。また、早稲田の「演博」は国際的にも有名で、世界各国の演劇研究者ならびに演劇研究を専攻する博士後期課程の大学院生が一度は演劇博物館を訪れると言われています。演劇博物館は、「早稲田と演劇」「早稲田の演劇」の拠点であり、「早稲田の文化」の象徴です。多くの貴重な資料や知見に基づいて、演劇文化と研究成果を国内外に発信すべく貢献して参ります。どうぞ、ご支援をお願い申し上げます。
早稲田大学 総長田中 愛治